年末のご挨拶

あと数時間で今年も終わりますね。

今年は年末のご挨拶をさせていただきます。

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浦河に転居してからも小動物の診療を続けたく、継ぐか閉めるかという選択肢だったこのクリニックを引き継ぐ事を決意してから、来年で六年目を迎えます。

今まで色んなことがあったなぁと思います。

 

手伝ってくれる優しいスタッフとの出会いもあれば、寿による引っ越し等での別れもあったり。

診療の円滑化や飼い主様の待ち時間短縮のために完全予約制にしてみたり、人手を増やそうとしてもうまくいかず求人詐欺にあったり、体調を崩したり。

一身上の都合から診察制限をかけざるを得なく、中途半端に開院している方が良くないのではと病院の在り方に悩むこともありました。

 

色んな葛藤がありつつ、それでもここまでやってこれたのは、スタッフや優しい飼い主さん達からの激励の言葉のお陰です。

犬猫が元気になれば嬉しいし、私が診療していることで役に立てているのであれば、頑張ろうと思えます。

来年もまた不在となる期間もあり皆様にはご迷惑をおかけしてしまいますが、精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

よいお年をお迎えください(*^^*)

コカ

すっかり秋になりましたね(*´-`)

北海道の夏はあっという間だなと思います。

 

8月に、うちで飼育していたコカが亡くなりました。

コカは、ポリプテルス・エンドリケリーという古代魚です。古代魚は、魚なのに肺呼吸ができます。


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突然食欲も元気も全くなくなってしまい、一週間ほどで逝ってしまいました。見た目も何も病気らしいところが無かったため老衰かと思っています。

大学時代からの付き合いで、10年生きて寿命を全うしてくれました。

 

大学時代は、ブリーダーの人と知り合ったご縁から、ポリプテルスを5匹飼っていました。その中で、コカは明らかに弱く、エサを近くに置いてもすぐに気付けず他の子に取られ、なかなか体も大きくなれませんでした。

手がかかる子ほど愛着がわくとはこの事なのか(笑)、卒業とともに他の4匹は後輩に引き取ってもらい、コカだけ私と共に今まで過ごして来ました。ゆっくりゆったり動く姿が癒しの子でした。


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そのあとゴマ(猫)が家族に加わりました。当初は水槽に興味津々で、大丈夫かと少し心配したりしましたが、コカが滅多に動かないのですぐ興味が失せたようで共存してきました。

 

どの命も必ず終わるもので、不老不死にすることはできませんが、関わった子達の最期の時が出来るだけ苦しみの少ないものになるようにしてあげたいというのが日々の願いです。

自分自身の最期の時もそうあってほしいものですね。

救命措置②

今回は、前回の続きで胸部圧迫についてご説明します(o^-^o)

 

心臓が止まってしまったとき、すぐにやるのは胸部圧迫です。

 

通常は動物を横向きで(ブルドッグなどの胸が樽型の犬は仰向けのこともあります)、胸を1/3~1/2の深さが動くくらいの力で圧迫します。

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この辺を圧迫するのですが、目安としては肘を下りたたんで胸とぶつかるところです。


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この時のリズムも大事です。

1分間に100~120回の早さでやりますが、これは、「ドラ○もん」や、「あんた○たどこさ」、「崖○上の○ニョ」などの曲に合わせてやるとちょうどいいと言われます。

 

私も、病院でメトロノームが準備されるまでは、頭の中で曲を流します。

「♪ポーニョポーニョポニョさかなの子♪」と必死なときに頭の中で歌うのはいささかシュールですが、逆に冷静になれたりもします。笑

 

あとは、圧迫で大事なポイントとしては、反動で胸がもとに戻ってから次の圧迫をすることです。そうでないとうまく血液が体をまわりません。

また、心臓マッサージをする人の肘も、曲げずに伸ばしたままやるといいです。

 

以上が心臓マッサージのポイントでした!

何もないのがもちろん良いですが、何かあったときの為にイメトレしておくのは大事ですよね(*´-`)

救命措置①

こんにちは(*^^*)

今回は救命措置について少し書いてみます。

 

予期せず、突然具合が悪くなってしまうこと・・・生きている限り、誰にでも起こり得ることだと思います。

 

犬猫で、もし心臓が止まってしまったとき、すぐに行うべきなのは、心臓マッサージです。

犬猫の救命技術が高いと言われる日本でさえ、緊急処置により心停止から心拍再開できたとしても、その後の生存退院率はわずか5%に満たないほどなのだそうです。

でも、諦めずに病院に向かうまでの間に心臓マッサージをしていた方が、何もしないより救命率が上がります。

 

通常の蘇生措置は、心臓マッサージと人工呼吸を繰り返します。

しかし、犬猫においては、

訓練を受けていない人の場合は、

人口呼吸なしで胸部圧迫(心臓マッサージ)のみで対応」

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した方が救命率が良いのだそうです(人口呼吸に手間取り胸部圧迫の遅れに繋がるため)。


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なので、飼い主さんの場合は、人口呼吸をせず、ひたすら胸部圧迫しながら病院に向かうことをお勧めします!

 

日頃から備えてイメトレしておくのは非常に大事ですよね。

私も犬猫の救命措置しかわからないので、家のトイレのドアに人の心臓マッサージの方法を貼り付けてあります( ´ー`)


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滅多にあることではないけれど、体がすぐに動かないとヤバいことは備えないと、

と思いつつ地震対策は自信がない私・・・(T_T)

 

次回は具体的な胸部圧迫の仕方をご紹介します(o^-^o)

水をたくさん飲んで欲しい!

節分でしたね!皆さんは豆まきしましたか?

福がたくさん来てほしいですね(o^-^o)


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さて、冬は結石などでおしっこがつまって出ないという猫ちゃんの来院が多いです。

結石ができる原因は本人の体質やフードとの相性が大きく関係していますが、冬は夏よりも水を飲む量が減り尿が濃くなるため、結石ができやすくなるようです。

 

結石予防対策の一つに、水を多く飲ませる、ということが言われています。

では、たっぷり水を飲んでください!と猫に言っても飲んでくれるわけもなく・・・(-_- )

今回は水を飲ませるための、手軽にできる環境の工夫をご紹介します!

 

●食事の場所から水飲み場を遠ざける

(猫は食時の場所の近くでは水を飲みたがらない傾向があるらしい。食事の部屋でも飲水しにくい。)

●水飲み容器の数を増やす

(近くに水があると飲みやすくなる)

●水に味をつけてみる

(パウチの汁など)

●循環式吸水器のような流れる水を用意してみる

(猫が好みやすい)

●15cm以下の小さな水飲み容器にしてみる(猫が好みやすい)

 

なお、水飲み容器の素材は関係なさそうです(食事は陶器の器が好きらしい)。
海外の調査では、44%の猫は遊びながら水を飲むそうです。

面白いですねー!

人で遊びながら水を飲んでたら、怒られますね。笑

 

根幹にあるもの

明けましておめでとうございます!

 

昨年から診療体制に変動があり、オペや診察の受け入れを制限せざるを得ず、多くの方にご迷惑をおかけしているにも関わらず、暖かなご対応をいただいていること本当にありがとうございます(T_T)

周囲の皆様の支えが無ければ、診療は成立していなかったと思います。本当に感謝につきません<(_ _*)>


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最近、クイズで有名な芸能人の松丸亮吾さんをご存知でしょうか。

教えてもらって知ったのですが、彼の、母親との死別の状況が、主因は違えど私自身の母親との死別に共通するところが多く、自分と重ねてしまいます。

昨年のお正月ブログで書かせていただいたように、座右の銘として「後悔しないように」を心がけている私ですが、最大の後悔は母との死別です。

 

生前の母に、

「家族を大切に出来ないのに、他の人は救えない」

「あなたが大学に合格して獣医になる夢を叶えることが、自分の夢でもある」

と言われたことがあります。

 

私の人生の根幹は、これらの言葉でほぼ決定付けられたと言っても過言ではありません。

 

母が一生懸命応援してくれた獣医師という仕事を精一杯果たす、でも、自分の周囲の人々や家族も大切にすることありきでないといけない。

このことを、ずっと忘れず行動しなければと思っています(とはいえ家族には我慢をしてもらうこともかなり多いのですが・・・汗)。

 

新年を新たに、自分を見失わないよう戒めもこめて書かせていただきました。

 

今後も皆様にご迷惑をおかけしてしまうこともあるかと思いますが、精進して参ります。

また一年、よろしくお願いいたします(o^-^o)

脳の運動

とうとう初雪が降りましたね❄️

コロナが落ち着かずマスクの日々が続いているため、顔もちゃんと分からず院長何者?という不安を払拭するために、先日ホームページを少し変更いたしました。よろしければご覧ください。

 

さて今回は、前回の続きで、認知症のわんちゃんをよく眠らせるために脳を疲れさせよう!ということで、その方法をご紹介します(´・(ェ)・`)

 

まずは、知育トイを使う方法です。

フードをふやかしてコングの中に入れて冷凍して、食べるのを難しくしたりします。


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以下写真提供:コングジャパン株式会社

 

ここで、コングには色分けがありますが、ピンクや紫のものは柔らかくて誤食に繋がるので、赤や黒を選ぶといいそうです。サイズも、誤食しないように小型犬でもMサイズがよさそうです。

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大型犬の子は、コングの誤食を防ぐために、起き上がりこぶしのようになっていて倒すとフードが出てくるものを利用するといいです。

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その他の方法として、ノーズワークというものがあります。においを頼りに、おやつがどこにあるか探し当てるゲームです!災害救助犬でも行われているそうです。


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【ノーズワーク手順】

まず、特定の箱におやつが入っていることを教えるため、おやつを見せながら箱に入れて与える

→おやつが犬に見えないように箱に入れてから与える

→周りに色んな空箱を置いてみる

→たくさんの箱の中に、おやつの箱を隠して探させる

→部屋から犬を出して見えないようにおやつの箱を隠し、匂いのみで箱を見つけさせる

 

一つのことがちゃんと出来るようになってからステップアップしていきます。

運動量は必要としないため、高齢のわんちゃんにも負担になりません。

 

寝たきりの子は、触ったりマッサージして脳に刺激を与えてあげてくださいね(*^^*)